星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
後ろの二人はそれで黙った。
私が頭を下げると聖也先輩はちょっと笑った。
椿先輩も聖也先輩も私のことを心春と下の名前の呼び捨てで呼ぶが他の後輩はみんな名字にさんづけだ。
「続けるよ。
とにかくフォーメーションは前後左右を見ること。」
椿先輩がまた説明を始めると後ろからまた声が聞こえてきた。
「心春先輩って可愛いしダンスも凄いけど、中2で選抜だからダンス部エースって言われてて気取ってるよね。」
「ホントそれ~。」
本人の前で悪口言うのはやめてほしい。
「じゃあ、多目的行って選抜、アンダー曲、ユニット練習するよー」
私の頭のどこか遠くで先輩のそんな声が響く。