星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「あ、ここだ。」
先輩が音楽を止めたのは選抜曲だった。
「今の所もう一度やるよ。」
もう一度同じところの音楽を流す。
「佐伯、ズレてる。」
え。
私は突然言われて驚いた。
なぜならこの曲は自信があったのだ。
「はらうのが半拍遅い。
お前のダンスのいいところは表現力で佐伯のそれが一番の特徴だが、この曲のサビはそれぞれじゃなくて全体のまとまりが大切だから合わせろ。」
「はい…」
そう厳しい声で言われ、私は落ち込みながら答える。
「じゃあ、もう一度、今のところ。」