星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「心春ちゃん。」

次の日、桐島君に声をかけられた。
私が振り返ると桐島君は凄く暗い顔をしていた。

「心春ちゃんの好きな人って聖也だったんだ。

付き合い始めたんでしょ?おめでと。」

彼はムリをして笑顔を作っていた。

「何でそれを知ってるの?」

「俺と聖也は幼馴染みだから。
問い詰めたら答えたよ。」

私は少し納得した。
さっき部室で言っていた“ゴメン”はこういう意味だったんだ。

「俺、聖也に今回は負けたけど。
絶対に心春ちゃんを俺のものにするから。
どんな手を使ってでも。」

彼の目を見ると私は背筋が凍る気がした。

「私は聖也さんのこと以外は今、考えられないから。」

私の声も自然と冷たくなった。

「心春ちゃん、覚悟しておいて。」

彼はそれだけ言ってどこかにいなくなった。
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