星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
始
ぱたぱたぱた……
人の動く気配で目を覚ます。
「あっ、最寄り!」
私は足元の通学鞄を取って、急いで電車から降りる。
私は急ぎ足でエスカレーターを降りて、改札にICカードを読み取らせて外に出る。
駐輪場で自転車を引き出して跨ぐ。
海沿いの街に住む私。
日が沈むと海風が頬に当たって気持ちいい。
自転車を走らせて10分ちょっと。
小さな庭のある一戸建てが私の家。
金属の門にメタリックの表札には“佐伯 Saeki”とかかれている。
私は門の扉の裏側に手を入れて開ける。
そして玄関の扉の鍵を開けて家に入る。