星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「はい、失礼します。

はぁ、緊張した。」

車の中で私は藤乃宮家にアポを取った。

電話すると若い男性が出て、私の名前を言うとすぐにOKが出た。

日本1の財閥で世界にも名を轟かせる藤乃宮財閥なのにこんなにも簡単でいいのだろうか、と私は少し不安になった。

40分ほどで藤乃宮家の屋敷に着いた。
端が見えないほど大きな屋敷。

門が開いてそこから車ではいり、しばらくすると玄関にたどり着いた。

「お待ちしておりました、伊集院椿様。
藤乃宮家の使用人の各務と申します。
運転手の方もどうぞ。
お車は私たちの方で停めさせていただきますので。」

私が降りると電話の声の人が迎えてくれた。
ここまで待遇がいい家もそうそうない。

「飛鳥が待っております、どうぞ。」
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