星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
俺はピロティに一人残された。

椿に叩かれた左頬はまだヒリヒリと痛む。

あの1発には椿自身の気持ちの他に心春の思いが込められているからか異常に重く大きな1発だった。

柴木君は心春の想いを汲み取っている椿は心春を助けようと動いている

なのに…なのに…!
俺は何も出来ていない。

俺は心春に何も出来ない。
心春は俺を助けようとして自分から翼の元へと行った。

けれど俺はその心春に対して何も出来ずに何も声をかけられていない。

自分の無力さが辛くて空しくて俺は何かを抑えられなくなった。

「あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ…!」

俺は壁に両肘をついて壁に向かって叫ぶ。

俺に出来ることは…?

「椿っ、心春は!?」

「心春が抜け出すのは明後日よ。

何をするかは自由。
でも計画の邪魔になることだけは絶対にしないで。」

俺も…動き出す。
絶対に心春を助ける、待ってろ。
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