星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
その夜、私は聖也をきっぱり諦めることにした。

ベランダに出て空を見る。

出来るものなら聖也と付き合いたい、ずっとそう思ってた。

けど告白することなんて出来なくてずっと外から見ていただけ。

私はアイツを諦める。

でも聖也と結ばれるのが心春なら、他の誰と結ばれるよりも何倍も何十倍も何百倍も嬉しい。

「今日、心春に話したくせに。
――この薄情者め。」

そう自分に語りかける。

「でも、いっか。心春、

私はあなたに嘘をつく。」

ひゅっと空に流れ星が光った。
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