星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
私はユニット用の部Tから選抜用の部Tに着替えて舞台に背を向け屈伸をしていた。

脳裏に何かが通りすぎた。

「…椿先輩っ!」

私は舞台の方へ駆け寄る。

「心春!?」

舞台袖に駆け寄ると肩を棗に掴まれる。
私は椿先輩の方へ手を伸ばす。

――届かない…

だんっ!

遠くで聞いたことのある音がした。

舞台の中心で椿先輩が倒れる。

どうしよう、助けないと。
私は駆け寄ろうとするが棗に掴まれてて出来ない。

これは高2の曲……聖也先輩っ!
どうか椿先輩を助けてあげて下さい!

聖也先輩の影を見つけようと探すと私から一番遠い場所にいた。

~

結局、椿先輩はその曲の終わりまで立てなかった。

曲間に私が棗を振り切って、
椿先輩に駆け寄り舞台袖まで連れていった。
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