星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「どうしよう。」

パイプ椅子に座った先輩の周りに数人が集まっていた。

「どうしたんですか?先輩。」

私はその輪の中に声をかける。

「あぁ、心春。
この後の高校生女子での私のセンター曲があるのわかる?

あれ、ソロ部分があるじゃない?
誰も代わりが見つからなくって。」

先輩の話は今の2曲あとの曲の話だった。
高校生になって習う曲でしかも最後は一人欠けると出来上がらない。

「…先輩。それ私にやらせてくれますか?」

「「「え?」」」

その場にいた全員が声をあげた。

「私、普段から見て覚えてるんで
割と踊れると思います。」

周りが静まり返り、舞台の曲だけが聞こえる。

「佐伯さん、流石にむ「心春、行ける?」

高2の先輩の声を椿先輩が遮る。

「行けます!」

「お願い。」
< 78 / 253 >

この作品をシェア

pagetop