きみに届け。はじまりの歌
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部室に全員集合と連絡が来たのは連休明けの月曜日だった。
先週同じように集められ廃部を宣言されたばかりだったから少し身構えたが、今回の連絡は部長のマサムネ先輩からではなく、なぜだかテットからだった。
授業後、ロクと一緒に部室に行くと、マサムネ先輩とテットが来月ボランティア部で参加するイベントで行う、バルーンアート練習をしていた。
いくつも転がるバルーンの中で、何を作ったのかわかるものがマサムネ先輩、わからないものがテットの作だろう。
そしてそのふたりの作品に囲まれ、イベント用のポスターを一心不乱に作成しているスズがいる。
「よっ、来たかおふたりさん。どうだおれのうさちゃん、可愛いだろ」
ピンクのバルーンで作った完成度の低いうさぎをテットが見せびらかしてきた。
「それがうさぎ? 貸してみな、おれのが可愛く作れるぜ」
「おまえら割るなよ。この間新聞部からうるせえってクレーム来たんだから」
「そんなことよりさ、今日呼んだのってテットなんでしょ。何か話でもあるの?」
机の上の正体不明のバルーンをどかし鞄を置く。
「まあな。ちょっと大事な話」
「あんた、この間かなりへこんでたし、もしかして廃部阻止のために悪あがきでもしようとしてる?」
「ちげえよ。確かにまだへこんではいるけど、おれも受け入れてはいるんだって。今日みんなを呼んだのは、また別の話があんの」
「どんな?」
「それは全員そろってからな」