今の私は一週間前のあなた
キラキラと眩しく輝くイルミネーションを
ひと通り見終わって
満足した私たちはもう一度帰路についた
公園の前の大通りを歩いていた
ふと、カチャンと足元に何かが落ちた音がしてうつむく
「あ、」
なんだろう
私のかな…?
足元を見るとカバンの取っ手につけてあったはずのキーホルダーが地面に寝っ転がっていた
私は屈んでそのキーホルダーを手に取る
「どうした?」
「んー…取れちゃった。付けるから先行ってて」
修也にそういうと私に背を向けたまま顔だけ振り返った
急いでもう一度カバンの取っ手のところに輪を通す
「わかった。先行って…
…!
…藍乃ーっ!」
「先行ってるぞ」という修也の声が途中で悲鳴のような私の名を呼ぶ声に変わる
藍乃
私の名前が呼ばれて
急に私の所に走って戻ってきた修也に
突き飛ばされた
キィィィィィィイ
ドンっっ
甲高い悲鳴のようなブレーキ音と
鈍い音がその場に響いた