今の私は一週間前のあなた



「…よっ!もうひとりの私」



乃々はニタッと笑って私に右手を挙げる

「…なーんてね」

冗談めかして笑う乃々が座る机は
私の席であった


もう、1ヶ月近く座ってなんかいないけれど。

1ヶ月ほど前までは私が毎日腰を下ろして授業を受けていた椅子である。


「…乃々…」


変わらない彼女の姿になんだかじわりと目頭が熱くなっていく感じがした


涙がこぼれそうになったところで乃々が焦ったように叫んだ



「…あー。待った待った!泣かないで?」



歩み寄られ、乃々は服の袖で私の涙を拭う。


その手は私を抱きしめた時のように…

とても、

とても





優しかった





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