今の私は一週間前のあなた

「…私の服。着たんだね」


微笑む乃々はじいっと私の来ている服装を見つめる


「…似合うでしょ」
ニヤリと笑って返せば
乃々は明るく「あはは」と軽快に笑った


しかし、乃々は笑いをやめると


「藍は、私に聞きたいことがあるんでしょう?」


まるでわかっているかのように私に問い、
もう一度私の席に腰を下ろした

私は流れるように修也の席に座る。

元々修也と私の席は前後だったため話すことに支障はない

乃々の質問に私は頷いて
質問を投げかけた


「……ねぇ、乃々は、…どうして私をたすけてくれたの?」


「…それが、運命だから。かな」

前と言ってたこと違うじゃん、なんて思っても私は口には出さなかった








「…乃々は、…私の代わりに生きてくれるの?」







「えー?やだよ。そんなの」



…は?
何言ってんの?
前言ってたのと全く逆じゃん…

私の考えを汲み取ったのか乃々がニヤリと笑う


「…藍は、どっちが本当の私だと思う?」



どっち…?

私の代わりに生きたい乃々か
私の代わりは嫌な乃々か

って、こと…?


そんなの、私は乃々じゃないからわからない。

けど、もしも…

もしも私だったなら…




「…両方。かな
どっちも本音でどっちも嘘
半分は生きたくて半分は人の代わりなんて嫌」



悩みに悩んだ末、答えを出して告げれば
乃々は嬉しそうに笑った

「だよねぇー」

「…??うん」

よくわからないで首をかしげるけれど
乃々の嬉々とした表情に何故か心が温かくなった

突如、立ち上がった乃々がパチンと手を叩く





「…急なんだけどさ。一緒に来てくれない?」




本当に急な乃々の言葉に
私は微笑んで頷いた


「ほんとに急だね」


乃々の急な言葉には
意味があるから
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