今の私は一週間前のあなた



キラキラ輝くイルミネーションはもう既に無い公園
乃々が連れて来てくれたのは
修也の死んだあの公園だった



「…彼氏に、会いたいかなって思って」



ここは、私が唯一避けて来た場所

グッと握り拳を握った時
ふと、目線の先にいくつもの花束を見つけた


「…これ…」

近づくとそこには
子供用のおもちゃや

小さな子供の写った写真もあった



「…なに、これ」




自然と眉間にシワがより
目がそこから離せなくなる

そんな私に乃々は後ろから呟いた


「…この公園付近は事故多発地点で
今までたくさんの事故があったらしいの。


…死んだのは…
あなたの彼氏だけじゃない」


修也だけじゃ、ない…?
なら、なんでこの公園はまだここにあるの
たくさんの人が死んでいるなら尚
埋め立ててしまえばよかったのに

そしたら…修也は…


「…この公園は、戦争時代からあって。道ができたのは公園よりずっと後。
…昔から子供に親しまれて来たこの公園を無くして欲しくないと。
その写真の親が直談判したらしいわ…」


自分の子どもが死んだ公園を
残して欲しいと


…この公園をなくすことが
自分の子どもの願いじゃないと気づいたからだろうか



「…この子の両親は、強いんだね…」



私の呟いた言葉を乃々は聞き逃さなかった
すかさず言葉を入れて来た




「藍も、乗り越えに来たんだよ。
強く、なりに来たんだよ
ここに」


「…え?」


首を傾げた途端
まばゆい光が私たちを照らした
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