今の私は一週間前のあなた
「嘘…」
横たわるのは私
じゃあ…ない!
私にぶつかると思われた車は突如進行方向を変え、乃々に向かっていった
乃々は逃げることなく
私に微笑み続けて…
「乃々…っ!」
偶然?
そんなわけない
だって私が死ぬはずなんだから
私が死ぬはず……っ
駆け寄って私は乃々を抱き寄せた
「…あ、い…」
幸い声は出せるようで。
助けを呼ぼうと叫ぼうとしたら
乃々が優しく微笑んだ
「わら、て…。わらっ…て」
血に濡れたその手が私の頬を撫でる
わからないことが多すぎて
ぐちゃぐちゃになって。
それでも私は伝えようと…
叫んだ
「…ありがとう…っ
たすけて、くれて
ありが…とう…っ!」
溢れて止まらない涙
それでもどうにか伝えたくて
何度も何度も叫んだ
「…ありがとう…っ!」
えへへ…
乃々は嬉しそうに笑って…
その目を閉じた
そして、最後にポツリと呟いた言葉を私は聞き逃さなかった
「…修也…」