今の私は一週間前のあなた
「痛た…」
急に修也に突き飛ばされた私は盛大に尻餅をついて後ろに倒れた
とっさについた手からジクジクと刺すような痛みがする
それでも何が起きたのかと顔を上げれば
目の前に地面に横たわる君がいた
「………修也…?」
じわじわと赤色の液体が地面を伝って広がる
そこで修也は私をかばって突っ込んできた車に轢かれたことを理解した
「…ねぇ…修也…
修也…
修也…
修也ぁ…!」
駆け寄って呼びかけても動かない
「だ、だれか救急車…
だれか…修也をたすけて!」
叫んで助けを呼び修也の手を取った
私が修也の手を取り強く握ると、
優しく握り返される
「藍乃は…ケガないか…?」
修也の低い甘い声がこの耳に届く
けれどその声はいつもとは違って掠れていて。
ボロボロこぼれる涙で視界がぼやける
私はただその言葉に頷いた
「よかっ…」
修也の安堵した声のあと
私を握る修也の手の力がストンと抜けた
私がいくら握っても握り返してきてはくれない
「…修也…?
修也!修也!!」
涙で霞む修也の顔
うっすらと見えた修也の表情は
満足そうに笑っていた気がした