今の私は一週間前のあなた

わかっていても
もう1人の自分がいる事にはなれない

なんでだろう

物凄く怖かった


部屋に戻ってマスクを漁る

と、机の上にあの日修也にもらったネックレスを見つけた

…まだ、無理だ

まだ、付けれない



カーテンを開いた部屋の中はいつもとは違うキラキラで包まれていた

今まで自分がしてきたことが
間違っていたのか
正しかったのかはわからない

あの時は自分を認めることが出来なかったし



誰も


私を抱き締めてはくれなかったから



マスクを発見したところで
ガチャリと扉が開いた

「あ、あったよ」

「本当?ありがとう」

差し出したマスクを当たり前のように受け取った

まだつけないみたいだ


「ねぇ、3つ目の質問。『“私”は何?』についての答えはまた今度でもいい?」


昨日私が聞いた質問の3つ目

もう忘れかけていた

けど、確かに



「いいよ、死ぬまでには教えてね」



今、あなたを

もう1人の“私”を知るのが少し怖い


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