今の私は一週間前のあなた
「…死ぬ?」
確認する様な私の言葉にもう1人の“私”は頷いた
「そう。死ぬよ」
もう1人の“私”は微笑む
笑顔とはかけ離れた言葉なのに
なぜか目の前の“私”は微笑んでいる
「なんで…?
死ぬってどういうこと?
どうしてあなたが知ってるの?
あなたは何者?」
いくつかの質問をすると
もう1人の“私”は苦笑いをして「質問は1つずつにして」と言った
私が返答を待っているともう1人の“私”は一度息をついて目を閉じた
凛とした声が響く
「まず1つ目の質問への返答
『なんで?』についてだけど。私が言えることは1つ《知っているから》としか言えない」
もう1人の“私”は人差し指を立てて質問に答えてくれる
でも…
「答えになってないよ。《知ってる》ってどういうこと?」
こういう時
案外冷静でいられる私。
どうしてだろう
きっと、あの時にもう私は死んでしまったからかなぁ…
「《知ってる》っていうのはそのままの意味だよ。私はただ《知ってる》」
これ以上は聞いても意味がなさそうだ
理由がなんであろうともう1人の“私”は答えるつもりがないのだろう
「2つ目の質問
『死ぬってどういうこと?』についての返答だけど…」