今の私は一週間前のあなた

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「乃々は、私にこの約束を思い出させたかったんだね」

先生にお礼を言って
私達は小学校に背を向けていた


「...うん」


ゆっくりと乃々はマスクを取り私を見据えた

「...彼氏が亡くなって辛いはずなのに…私、あなたにひどい事言った。ごめん」


真っ直ぐな瞳は私の心までも見通すような美しさで思わず動きが止まる

今朝、私は夢を見た
修也の夢だった



『修也は死んだんだよ！！』




『これが現実なの！』




夢と現実の境目が分からなくなって
何も考えたくなくなった
そんな私に現実を突きつけた乃々


確かにそれは
周りから見たら酷い言葉で
同情心の欠けらも無いと思われたって仕方ないと思う


...自分で言うのもなんだけど。
一般的に私は



“彼氏が目の前で死んだ可哀想な子”



なのだと思うから



だけど私にとっては…

「ううん、謝らなくていい。私が弱いから...
だから、...」




うまく言葉にならなくて
それでもなんとかして伝えたくて




「私、強くなるから。
だから、最後まで隣で...
私を支えてくれない？私、1人じゃきっと弱いままだから...
私が馬鹿なことを言ったらぶん殴ってでも前を見させてほしい｣



乃々のはっきりとした言葉が
私を救ってくれる
私に変わるきっかけをくれる


乃々が目を見開いて私を見る
私はその乃々の手を取り
乃々のように真っ直ぐに見据えた


「私を...たすけてくれるんでしょう？」


こんな言葉は乃々を縛る
そうわかっていても今の私にはあなたが必要だった