今の私は一週間前のあなた
じゅうに月にじゅうく日


夜中になって日付けが変わった


自室のベッドにいる私は布団にくるまって
ただ乃々の言葉を理解しようとしていた




『あなたはひとりだよ』




「…っ!」

思い出して苦しくなる
忘れようとまた布団を深くかぶった

そこで



♪〜

「ゃ…っ」


突如私のスマホが音を立てた

「…メール」



机の上にあるスマホを手にしホームボタンを押して開くとトップに
《愛妃ちゃんさんからメールが来ました》

と、機械の文字が浮かんでいた



修也と愛妃ちゃんの真実を知った私は
愛妃ちゃんと話をすることが増え
いつの間にか親友と呼べる仲になっていた



唯一、私にメールを送って来てくれるヒト。



内容は…


《夜遅くにごめんね。
今日の9時に高校に来て欲しい。藍乃に会いたい》


会いたい…?

それは本当の気持ち?

ここ数日はメールをしてこなかったじゃん



はぁ、とため息をついてスマホを机に置こうとしたところで
もう一度スマホが揺れた

《迷惑だったかな。

これで、最後にするから。…お願い》





最後





急な言葉に手が震えた





迷惑だよ

会いたくなんてない

どうせ偶々思い出しただけでしょう?





それに…乃々が今隣にいない


『あなたはひとりだよ』


突きつけられた真実を告げる言葉が
頭の中を駆け巡って
くらくらする

違う

嫌だ

「ひとりはいやだ」





本音が漏れて私は覚悟を決めた

スマホを持つ手に力を入れて
人差し指を画面に滑らせた
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