今の私は一週間前のあなた

私には…


癖があるらしい。


嘘をついた時につく癖、が。




むかし、一度だけ修也に指摘されたことがあった


『ほーら、嘘ついた。
お前は嘘ついたら握りこぶしを作る癖があるから、すーぐわかるんだよ』






もしも、彼女が三日後の私なら
同じ癖があってもおかしくない

現に昨日の乃々は、妖艶な笑みを浮かべながら
その右手は固く握りこぶしが作られていた





私を殺しに来たとか
未来から来たとか

正直どうでも良いんだ。





大事なのは。
私は、生きたいと思っている彼女に
自分は生きる価値がないと嘆き続けていた
っていうこと。

罪悪感で息ができなくなりそうになる



殺してくれても構わない




身代わりになるならそれでも良い








でも…
修也がいない
彼女にとって頼れる人は誰もいない状況で

生きていけるの?



苦しくないの?




泣きたい時に頼れない世界で


この先

生きたいと思えるの?
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