今の私は一週間前のあなた
じゅうに月さんじゅう日
愛妃ちゃんと進と高校で話をした私は
しばらくすると家に帰ってしまって来ていた
帰路中の記憶はない。
ただぼーっと帰って来てしまっていたみたいだった
眠る愛妃ちゃんをおいては行けないともう少し残ろうとしたけど進が「俺がいるから大丈夫」そう言って笑うから…。
私は帰って来るしかなったのである
愛妃ちゃんを彼氏の進に任せて私は2人に背中を向けた
進は私が背中を向けたと同時に愛妃ちゃんの頬にかかる髪を耳にかけた
進の愛しい人を見つめる目が忘れられない
大切な、大切な宝物を扱うような優しい指先
…私も、修也にあんな瞳で指先で触れられていたのだろうか
愛妃ちゃんは私よりも辛いこれまでを送って来ていたのかもしれない
それでも立ち向かって逃げなかったんだろう
私はそんな愛妃ちゃんをすごいと思うし憧れる
…それでも愛妃ちゃんは
私を抱きしめてくれた
友達だと言ってくれた
それが、どれほど私を救っただろうか
どれほど私の背中を押してくれたのだろうか
帰って来た私を襲ったのは
猛烈な疲労感と安心感だった
愛妃ちゃんほど泣き疲れてすぐ寝てしまうわけじゃなかったけど
少なからず私にも疲労感があったらしく
ベットに飛び込むとすぐに瞼は落ちていき
私は柔らかな暗闇にズルズルと引き摺り込まれていった