今の私は一週間前のあなた
「…あ、いの」
「…お父さん。」
目を丸くした両親が私を見つめる
正面から両親を見たのはいつぶりだろう
正面から言葉を交わしたのはいつぶりだろう
「…修也の家に行きたい」
身なりを完璧に整えて
私は立っている
昔みたいな服装
そして、微笑みで。
両親2人とも顔を見合わせてキョトンとしている
そして、怒った様にカッと顔を赤く染めた
しかし、私はそれすらも遮る
「ごめん。時間がないの、
私は行かなきゃいけない。
2人の言いたいことはわかるし怒りたい気持ちもわかる
だけど、お願い。
一緒に 来て下さい」
頭を深々と下げればお父さんの低い声が頭上から降って来た
「…話を。しよう」
「帰って来たらね」
お父さんの言葉の後に続いてお母さんが微笑む
…よかった…
私は
私たちは
たった4文字「行きたい」と言った私の言葉だけで
何日も避けて
避けて
避けて来た家の前に
足を踏み出すこととなった