年中無休でキミが好き。
初めましてのシュークリーム

私の名前は柏木雛子。16歳。東高校に通う高校二年生です。
いまはHRの時間で来月に開催される運動会の役割決め中。去年はなんの種目出たっけな〜?なんて考えてたら、、、
「ヒナコは何にする!?」
「全然決まってないよぉ〜。去年なんの種目でたかも忘れちゃった!」
今話しかけてきた彼女は親友の松本彩。彩は中学の時からの仲で、かれこれ5年目の付き合いなんだ。なんでも話せるし、いつも頼りにしてる。
「去年の事もう忘れたとかおばあちゃんなっちゃった!?ヒナコは去年ウチと一緒に玉入れ出たじゃん!!」
「あ!思い出した!彩がめっちゃ入れて優勝したんだよね~!」
「そうそう!張り切り過ぎた感あったよね!」
「ちょっと聞いてください!!!」
委員長のこえで教室は少し静かになった
「リレーの選手は体力テストの結果で決めました。男子は柊くん、高野くん、長谷部くん、中村くんの4人で、女子は桜井さん、宇野さん、佐藤さん、柏木さんの4人です。順番はそれぞれ話し合って決めてください。」
え、柏木って私!?
「ヒナコリレーの選手だって!頑張れ!!」
「わたしが!?無理無理無理無理〜!!!彩変わってよぉ〜。」
「体力テストの結果なんだからウチにはどうしようもありません~!」
彩は他人事のように話す。まぁ他人事だけど・・・。目立つ種目はさけたかったのにな・・・。
そのあともあっという間に話し合いは進んで行き、彩は去年と同じく玉入れに出ることになった。ああ、どうしよう。リレーは運動会の中で1番盛り上がる種目。それに私が出ることになるなんて・・・。帰りに大好きなシュークリーム買って帰ろう。
それで気を取り直して頑張るとしよう・・・。
そして放課後。私はいつものケーキ屋さんに寄った。
カランカラン・・・
「いらっしゃいませ~!おお!ヒナちゃんいらっしゃい!今日は何個食べる?」
ここのケーキ屋さんは叔母さんの店で小さい頃からお世話になっている。
「今日は3個たべる!!」
「はいよ!いつもありがとね!これよかったら持って行って!」
「わぁ~!おいしそう!ありがとう!」
手渡されたのはおまけのマドレーヌ。すごくおいしそう!叔母さんの作るお菓子やケーキはどれもほんとにおいしい!その中でもシュークリームは世界で一番おいしくてほっぺが落ちちゃう!
「いつもの席、今日は空いてないのよ~。あの制服ヒナちゃんとこのだよね?まぁでもゆっくりしてってね♪」
「うん!ありがとう!」
シュークリームを受け取っていつもの席の隣に座る。いつもの私の席に座っている同じ東高校の男子。彼は確か隣のクラスの日向塁斗。彩いわく学校内で一番モテるらしい。バレンタインには靴棚やらロッカーやら、なだれが起きるほどチョコレートを貰っているとか。でもそのチョコレートはひとつも食べないとか。この事以外にも彼の情報は黙ってても彩がもってくる。まったく興味無いけどね。付き合うとかよくわからないし、ちらほら見かけるカップルの事は幸せそうだな~て思うけど、私にとっての幸せは今目の前にあるこのシュークリーム。
ふと、隣を見たら、彼も同じくシュークリームを食べていた。やっぱり叔母さんのシュークリームは格別だもんな~。やばい、目が合ってしまった。急いで視線を逸らす。絶対なんだこいつって思われた~。あああ恥ずかしすぎる。放課後に一人でシュークリーム3個も食べてるとか普通に考えてデブだし・・・。そこら辺は自覚してるんですけどね。つい何個も食べたくなっちゃうんですよ。
「ここのシュークリーム美味しいよね。」
え。話しかけられた?私じゃないよね。なわけ。まさかと思いながら彼のほうに目を向けると、、、
「あはは。ついてる。ほっぺにクリームついてるよ。」
「え!?」
大至急ナプキンで拭いた。まじでついてるし・・・。
「ほっぺにまてまクリーム食べさせてんの。」
「いや・・・。別に・・・。」
なにこの人。馴れ馴れしい。



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