リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲む。
急に席から立ちあがり、先生を始め、クラスメイトの好奇な視線に刺されながら、私は教室を抜け出した。
廊下を走り、トイレに駆け込む。
そして、誰が閉めたかわからない便座カバーを乱暴に開け、大きく口を開いた。
何も出て来ない。トーストも、ココアも、何も。
酸っぱい唾液が口の中を濡らし始め、ああ、これが吐く寸前なんだとわかると、手足が痺れ、冷や汗が額を滲ませた。
「お……おうぇ!!」
しかし、嗚咽しか出なかった。だらんと締まりの悪い唇から、糸を引いたよだれが白い便器の上に垂れる。
そんな情けない姿を見て、思わず便器に抱き着いて泣いた。
もう、もう、もう、嫌だ!! 死にたい!!
……死んでしまいたい。でも、死ねない! 死にたい!