リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲む。
パソコンの電源を落として、壊れた机の中に仕舞い、階段を降りた。
その足で向かう先は、コンピューター室。
Wi-Fiを繋ぐには、ルーターが必要。そして、ルーターの裏には必ずパスワードが書かれている。
あとは、ルーターが置かれている場所を特定するだけ。可能性としては、職員室の方が高い。
でも、コンピューターが並んでいるコンピューター室にもルーターがあってもおかしくない。
その証拠に、Wi-Fiのネットワークの中に、「computer-room」という名前のネットワークがあった。
何も「kyoumu」に縛られることはない。「computer-room」でもWi-Fiが使えればそれでいい。
コンピューター室までの道中、私は胸が高鳴っていることに気づいた。
生きているとさえ実感した。こんな気持ちになったのは、いつぶりだろうか。
ああ、生きている。生きるって楽しい。
足が気持ちと連動して、へたくそなスキップまでする始末だ。
ダサい。