リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲む。
指を3本失った私は、幸い直後に金子が帰ってきて、止血処置をしたことで一命はとりとめた。
でも、左手の握力が極端に減り、これでは仕事をさせるわけにはいかないと、クビを宣告された。
まだ仕事もしていないうちに、クビ。
だからと言って、家に帰るわけにもいかず、どこにも行く当てなんかない私は、一日中、このかび臭い場所にいるだけ。
出されたものを食べ、決まった時間にベッドに入れられ、あとは息をするだけ。
後悔はない。かと言って、清々しさももうない。
私には何も残っていない。3本の指から、私のすべてが流れ出てしまったかのようだ。