言葉に出来ないほどに
初めての授業は、数学担当の鈴木先生だった。

名前もうろ覚えだった私に、
拗ね気味に先生は怒る。

外はもうセミの鳴き声が聞こえて、
虫が苦手だという先生は怖がってたね。


「この問題は、Xが3って分かってるから、、」

「あ、Yが8か」

ひとつの問題が溶ける事に先生は褒めてくれた。
久々に褒められた私は、
よく出来たね!という先生の何気ない一言に喜びを感じた。


「じゃあ、ここが宿題ね。」

その授業の復習プリントを貰った。

「できないところは飛ばして、できる所だけでいいからね?」

顔は好みでもないし、
うるさいし、ずっと笑顔だし、
佐々木先生はこの人は人気があるって言ってたけど、
本当に人気なのかな…?

授業は確かに楽しかった。
学校では寝てるだけだった私は、
勉強の大変さがやっと分かった。
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