「お前に死に方を選ばせてやる」
「ちょっと待て。ストップ、ストップ!」
「なんだよ! これからがいいところだろ!」
 せっかく俺が理想の死に方をレクチャーしてやっているというのに、何て礼儀しらずな男だろう。
「どうやってその方法で死ぬんだ?」
「おいおい、今まで聞いててわかんなかったのかよ? 愛する義妹に看取られながら……」
「そうじゃなくて! どうやって俺がその方法で殺すんだってこと!」
「お前がトラックに乗ればいいじゃん」
「そんなことしたら捕まっちゃうだろ!」
「じゃあ俺殺すのやめろよ」
「暗殺はいいんだよ。警察来るまで時間がかかるだろ。そもそも、金髪ツインテールの美少女なんてそうそういないし、無理だ無理。却下」
 むう、ワガママなやつだ。
 そもそも自分の言った言葉には責任を持ってもらいたいな。死に方を選ばせてやるといっておきながら、萌え死はわからないわ、義妹を庇っての事故死は無理だわと……。
「ちっ、仕方ねえな。じゃあ百五十万歩譲って……」

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