桃色吐息
1
自由が丘のスーパーで一人、特別なチーズを探していた。
昔NYに住んでいた彼氏のビトが、食べたいっていっていたNYチーズケーキの材料。
材料のメモを何度も見返して、お目当ての商品を探す。
やっと見つけたと思ったら,思ったより高かったりして、おこずかいが足りるかなって財布を確認する。
ちょっと微妙な感じだったので、少ししか買えずに、なんだかため息が出てしまった。
「ビトは喜んでくれるかな・・・」
なんだか最近、そう思いながらお菓子を作るのに、戸惑いを感じている。
どうせ喜んでくれるに決まっている、彼は優しいもの。
優しくてかっこよくて、私を一番大事にしてくれる、最高の幼馴染。
最近は仕事と学校の両立が忙しくて、たまにうちに来てご飯を食べて帰っていくだけだけど、それでも幸せなんだろうなって思っていた。
だって、彼を独り占めできるのは私だけだったから。
うちに帰ってきてから、キッチンで材料を広げて、早速ケーキ作りに取り掛かる。
お母さんが花屋のお店の合間に手伝いに来てくれて、私の作っている様子を見て自分も作ってみようかな、なんて言っている。
「ねえ桃、蓮とかずなりくんにも作ってあげたいから、作り方教えて。」
「ええ、だって材料もう少ししかないんだもの、無理だよ。」
ふたごの兄の蓮は、とにかくいっぱい食べる人だから、絶対こんなのじゃ足りないし、お父さんは何時帰ってくるかわからないのに、お母さんは思いつきでよくそんなことを言う。
「じゃあ私も材料買ってこようかな・・・」
そんなことを言いながら、さっさと近所のスーパーに買いに行ってしまった。
一人でレシピを見ながら、チーズをクリーム状になるまでかき混ぜる。
結構お菓子作りって力が要るんだよね・・・
お菓子を作っているときは、無心になれるから好きだ。
余計なことを考えずにすむ。
もう色々考えたくないんだ、ビトのこととかビトのこととか・・・
もう付き合いだして三年もたっているのに、まだキスぐらいしかしていないってこととかも・・・
昔NYに住んでいた彼氏のビトが、食べたいっていっていたNYチーズケーキの材料。
材料のメモを何度も見返して、お目当ての商品を探す。
やっと見つけたと思ったら,思ったより高かったりして、おこずかいが足りるかなって財布を確認する。
ちょっと微妙な感じだったので、少ししか買えずに、なんだかため息が出てしまった。
「ビトは喜んでくれるかな・・・」
なんだか最近、そう思いながらお菓子を作るのに、戸惑いを感じている。
どうせ喜んでくれるに決まっている、彼は優しいもの。
優しくてかっこよくて、私を一番大事にしてくれる、最高の幼馴染。
最近は仕事と学校の両立が忙しくて、たまにうちに来てご飯を食べて帰っていくだけだけど、それでも幸せなんだろうなって思っていた。
だって、彼を独り占めできるのは私だけだったから。
うちに帰ってきてから、キッチンで材料を広げて、早速ケーキ作りに取り掛かる。
お母さんが花屋のお店の合間に手伝いに来てくれて、私の作っている様子を見て自分も作ってみようかな、なんて言っている。
「ねえ桃、蓮とかずなりくんにも作ってあげたいから、作り方教えて。」
「ええ、だって材料もう少ししかないんだもの、無理だよ。」
ふたごの兄の蓮は、とにかくいっぱい食べる人だから、絶対こんなのじゃ足りないし、お父さんは何時帰ってくるかわからないのに、お母さんは思いつきでよくそんなことを言う。
「じゃあ私も材料買ってこようかな・・・」
そんなことを言いながら、さっさと近所のスーパーに買いに行ってしまった。
一人でレシピを見ながら、チーズをクリーム状になるまでかき混ぜる。
結構お菓子作りって力が要るんだよね・・・
お菓子を作っているときは、無心になれるから好きだ。
余計なことを考えずにすむ。
もう色々考えたくないんだ、ビトのこととかビトのこととか・・・
もう付き合いだして三年もたっているのに、まだキスぐらいしかしていないってこととかも・・・
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