桃色吐息
この会場では小さめなステージ、後ろの方で、エイジ君と手を繋ぎながらぼんやりと見ていた。
前の方にはきっと、ビトのファンがいっぱいいるんだろうなあ・・・
そう思うと、ちょっと怖いような気もしてくる。
エイジ君の手を強く握り締めると、しっかりと握り返してくれるから、きっと大丈夫って自分に言い聞かせていた。
ビトとアキラ君のステージは、本当にキラキラしていて、昔横浜で見たときよりずっとダンスも歌もレベルアップしている。
やっぱり私にとっては、遠い人なんじゃないかなって思う。
どんなに近くにいても、そう思ってしまう。
あんなにずっと一緒にいたのにな。
ラストの曲は、どこかで聞いた事がある曲で、ああ子供の頃に再放送のアニメで聞いたことある曲だなって思う。
はじめてのチュウ・・・
私のそれは、あまりにも昔のことで忘れちゃったなあ・・・
その曲は、パンクバージョンにアレンジしてあって、全部英語の歌詞になっていた。
べべさんが出てきたこともあって、人がどんどん集まってくるし、さっきまでの雰囲気とガラッと変わる。
私はエイジ君に抱きかかえるようにしながら、さらに後ろの方に下がって避難した。
だけどそんなもみくちゃな会場で、エイジ君が隣でうずうずしてるのがわかる、きっと前で見たいんだろうな。
前の方でレンがダイブしているのが見えたとき、
「ヤベー俺も行きたい・・・」なんてつぶやいてのも、私は聞き逃さなかった。
ああそうか、私みたいにこういうライヴになれてないものは、一緒に見れないんだなあ・・・
前に突っ込んで行ったカオリさんみたいに、一緒に揉まれて暴れて騒げるようにならないとダメだな。
エイジ君がずっと、私をライヴに連れて行きたがらなかった理由が、いまさらだけどやっとわかった気がした。
「ごめんね、わたしいると邪魔だよね。」
「何言ってんだよ、邪魔じゃねーよ。」
エイジ君はそういって、いつものように頭を撫でてくれるけれども、きっとずっと私と一緒だとせっかくのライヴが楽しめないんじゃないかなって思った。
確かもうすぐあっちのマウンテンステージでエイジ君の好きなバンドがやるって言ってたな。
レンとカオリさんが、汗だくになって私達のところに戻ってきた。
「ねえエイジ君、レンと一緒にあっちのステージ見てきなよ。」
「だってお前、一人じゃ危ないだろ。」
「大丈夫、カオリさんと一緒だから。」
エイジ君は不安そうにしていたけれど、カオリさんも大丈夫だよって言ってくれるので、ちょっとだけ行ってくるとレンと楽しそうに行ってしまった。
そうだよ、私は私で、女の子同士でこの前みたいに楽しめばいいんだ。
前の方にはきっと、ビトのファンがいっぱいいるんだろうなあ・・・
そう思うと、ちょっと怖いような気もしてくる。
エイジ君の手を強く握り締めると、しっかりと握り返してくれるから、きっと大丈夫って自分に言い聞かせていた。
ビトとアキラ君のステージは、本当にキラキラしていて、昔横浜で見たときよりずっとダンスも歌もレベルアップしている。
やっぱり私にとっては、遠い人なんじゃないかなって思う。
どんなに近くにいても、そう思ってしまう。
あんなにずっと一緒にいたのにな。
ラストの曲は、どこかで聞いた事がある曲で、ああ子供の頃に再放送のアニメで聞いたことある曲だなって思う。
はじめてのチュウ・・・
私のそれは、あまりにも昔のことで忘れちゃったなあ・・・
その曲は、パンクバージョンにアレンジしてあって、全部英語の歌詞になっていた。
べべさんが出てきたこともあって、人がどんどん集まってくるし、さっきまでの雰囲気とガラッと変わる。
私はエイジ君に抱きかかえるようにしながら、さらに後ろの方に下がって避難した。
だけどそんなもみくちゃな会場で、エイジ君が隣でうずうずしてるのがわかる、きっと前で見たいんだろうな。
前の方でレンがダイブしているのが見えたとき、
「ヤベー俺も行きたい・・・」なんてつぶやいてのも、私は聞き逃さなかった。
ああそうか、私みたいにこういうライヴになれてないものは、一緒に見れないんだなあ・・・
前に突っ込んで行ったカオリさんみたいに、一緒に揉まれて暴れて騒げるようにならないとダメだな。
エイジ君がずっと、私をライヴに連れて行きたがらなかった理由が、いまさらだけどやっとわかった気がした。
「ごめんね、わたしいると邪魔だよね。」
「何言ってんだよ、邪魔じゃねーよ。」
エイジ君はそういって、いつものように頭を撫でてくれるけれども、きっとずっと私と一緒だとせっかくのライヴが楽しめないんじゃないかなって思った。
確かもうすぐあっちのマウンテンステージでエイジ君の好きなバンドがやるって言ってたな。
レンとカオリさんが、汗だくになって私達のところに戻ってきた。
「ねえエイジ君、レンと一緒にあっちのステージ見てきなよ。」
「だってお前、一人じゃ危ないだろ。」
「大丈夫、カオリさんと一緒だから。」
エイジ君は不安そうにしていたけれど、カオリさんも大丈夫だよって言ってくれるので、ちょっとだけ行ってくるとレンと楽しそうに行ってしまった。
そうだよ、私は私で、女の子同士でこの前みたいに楽しめばいいんだ。