桃色吐息
「カオリさん、他に見たいのとかあるの?」
ナホさんとかミヤコさんは、別のステージにいってしまったみたいで、私はカオリさんと2人だったから、そっちに合流したいんじゃないかなって思ってそういった。
「大丈夫大丈夫、毎年みんな別行動だし、最後のBabyのライブのとき集まればいいし。」
じゃあなんか、甘いものでも食べたいなあ・・・
「あっちで、スムージー売ってたよね。行ってみようよ。」
そういうとカオリさんも喜んでのってくれたのでそちらに向かおうと思ったんだけど・・・
「あれ、桃ちゃん?」
聞きなれた声に振り向くと、そこにはミキちゃん達がいて、久しぶりだねって声をかけてくれる。
カオリさんがその集団を見て、いっぺんに嫌そうな顔をした。
なにかあったんだろうか?
「あれ~あんなに伸ばしてた髪切っちゃったんだね、もったいない。」
何だか前にあったときと様子が違う、やっぱり私がビトと別れちゃったって知ってるからなのかな?
「そう、暑かったからね、イメチェンしちゃった。」
私は普通に笑いながらそういうと、周りの子がくすくす笑い出す。
「知ってるよ~ビトのファンに切られちゃったんでしょ? かわいそー」
何だか凄く棘のある言い方で誰かが言う。
「よくこれるよね、ビトをふったくせに、どの面してこれるの。」
「さっき一緒にいたの、新しい彼氏なんでしょ?二股かけてたってホント?」
知らない女の子にも囲まれて、次々に罵声を浴びせられるので、私は何も出来ずに俯いてそれを聞き流すしかなかった。
「桃ちゃんはそんなんじゃないよ!何なのよあんた達。」
カオリさんが言い返しているけど、「アキラのオリキは引っ込んでなよ。」なんていわれてしまう。
「桃ちゃんもう行こう。」
カオリさんがそう言ったら、いきなり知らない女の子に手をつかまれた。
「走って!! あなたも!」
長い黒髪の、とても綺麗な女の子だった。
私とカオリさんはその勢いに押されて、彼女に手をひかれながらひたすら走った。
「ちょっと待ちなさいよ!」
何人かが追いかけてくるけれども、すぐにその彼女は関係者入り口に入ったので、その子たちはそれ以上ついてこれなくてあきらめたようだ。
私達はそのまま、べべさんの楽屋に入っていった。
「あの、ここ入っちゃって大丈夫なの?」
カオリさんがキョドりながらそういうけど、私達のはスタッフ用のパスだから大丈夫だよと教えてあげる。
「あの、すいません、ありがとうございました。助かりました。」
私はここにつれてきてくれた彼女に、丁寧にお礼を言った。
「あんたのためにしたんじゃないよ、あんたが辛いとビトが悲しむから。」
ああこの人もビトのファンなのかな?
「あれ、倉橋百花?」
カオリさんは彼女のことを知ってるみたい。
「いや、ほんとに助かった。ありがとう。私じゃ楽屋に逃げるなんて思いつかないもんな・・・」
カオリさんも申し訳なさそうにそう彼女に言っている。
「あれ、桃ちゃん、どうしたの?なんかあった。」
楽屋に入ったとたんべべさんがいて、さっきのステージ衣装のまま、楽屋で食事をしていた。
「ここ座れば。そっちはお友達かな?」
私はカオリさんを紹介すると、べべさんに言われるままにそのテーブルに座って、二人にお茶を出してあげた。
毎年ここに来てるから、勝手はわかってるし。
カオリさんは、べべさんにはじめて会って緊張していたけれども、さっきあったことを私の代わりに説明してくれた。
「そっか・・・まだそんなことがあるんだね、ゴメンね桃ちゃんビトのせいで・・・」
そんな風に話していると、ビトとアキラ君もやってきて、私たちの様子を見てびっくりしている。
「何してんだよ・・・」
ビトは酷く冷たい声でそう言うからびっくりした、私に言っているのかと一瞬思ったけれども、それは隣の百花ちゃんに向かってで、
「ゴメンねビト、今年はここに来ないつもりだったんだけど、ちょっと色々あって百花ちゃんにつれてきてもらっちゃったの。」
私は以前のように彼にそう微笑みかけると、とても複雑そうな顔をして私のことも見つめてくれる。
ナホさんとかミヤコさんは、別のステージにいってしまったみたいで、私はカオリさんと2人だったから、そっちに合流したいんじゃないかなって思ってそういった。
「大丈夫大丈夫、毎年みんな別行動だし、最後のBabyのライブのとき集まればいいし。」
じゃあなんか、甘いものでも食べたいなあ・・・
「あっちで、スムージー売ってたよね。行ってみようよ。」
そういうとカオリさんも喜んでのってくれたのでそちらに向かおうと思ったんだけど・・・
「あれ、桃ちゃん?」
聞きなれた声に振り向くと、そこにはミキちゃん達がいて、久しぶりだねって声をかけてくれる。
カオリさんがその集団を見て、いっぺんに嫌そうな顔をした。
なにかあったんだろうか?
「あれ~あんなに伸ばしてた髪切っちゃったんだね、もったいない。」
何だか前にあったときと様子が違う、やっぱり私がビトと別れちゃったって知ってるからなのかな?
「そう、暑かったからね、イメチェンしちゃった。」
私は普通に笑いながらそういうと、周りの子がくすくす笑い出す。
「知ってるよ~ビトのファンに切られちゃったんでしょ? かわいそー」
何だか凄く棘のある言い方で誰かが言う。
「よくこれるよね、ビトをふったくせに、どの面してこれるの。」
「さっき一緒にいたの、新しい彼氏なんでしょ?二股かけてたってホント?」
知らない女の子にも囲まれて、次々に罵声を浴びせられるので、私は何も出来ずに俯いてそれを聞き流すしかなかった。
「桃ちゃんはそんなんじゃないよ!何なのよあんた達。」
カオリさんが言い返しているけど、「アキラのオリキは引っ込んでなよ。」なんていわれてしまう。
「桃ちゃんもう行こう。」
カオリさんがそう言ったら、いきなり知らない女の子に手をつかまれた。
「走って!! あなたも!」
長い黒髪の、とても綺麗な女の子だった。
私とカオリさんはその勢いに押されて、彼女に手をひかれながらひたすら走った。
「ちょっと待ちなさいよ!」
何人かが追いかけてくるけれども、すぐにその彼女は関係者入り口に入ったので、その子たちはそれ以上ついてこれなくてあきらめたようだ。
私達はそのまま、べべさんの楽屋に入っていった。
「あの、ここ入っちゃって大丈夫なの?」
カオリさんがキョドりながらそういうけど、私達のはスタッフ用のパスだから大丈夫だよと教えてあげる。
「あの、すいません、ありがとうございました。助かりました。」
私はここにつれてきてくれた彼女に、丁寧にお礼を言った。
「あんたのためにしたんじゃないよ、あんたが辛いとビトが悲しむから。」
ああこの人もビトのファンなのかな?
「あれ、倉橋百花?」
カオリさんは彼女のことを知ってるみたい。
「いや、ほんとに助かった。ありがとう。私じゃ楽屋に逃げるなんて思いつかないもんな・・・」
カオリさんも申し訳なさそうにそう彼女に言っている。
「あれ、桃ちゃん、どうしたの?なんかあった。」
楽屋に入ったとたんべべさんがいて、さっきのステージ衣装のまま、楽屋で食事をしていた。
「ここ座れば。そっちはお友達かな?」
私はカオリさんを紹介すると、べべさんに言われるままにそのテーブルに座って、二人にお茶を出してあげた。
毎年ここに来てるから、勝手はわかってるし。
カオリさんは、べべさんにはじめて会って緊張していたけれども、さっきあったことを私の代わりに説明してくれた。
「そっか・・・まだそんなことがあるんだね、ゴメンね桃ちゃんビトのせいで・・・」
そんな風に話していると、ビトとアキラ君もやってきて、私たちの様子を見てびっくりしている。
「何してんだよ・・・」
ビトは酷く冷たい声でそう言うからびっくりした、私に言っているのかと一瞬思ったけれども、それは隣の百花ちゃんに向かってで、
「ゴメンねビト、今年はここに来ないつもりだったんだけど、ちょっと色々あって百花ちゃんにつれてきてもらっちゃったの。」
私は以前のように彼にそう微笑みかけると、とても複雑そうな顔をして私のことも見つめてくれる。