桃色吐息
「これ、プレゼントなんだけど、開けてみて。」

エイジ君の働くショップの大きな紙袋を渡されて、中を開けてみて見ると、ピンク色のシフォン素材のふわふわな布が出てきて、なんだろうって広げてみたらノースリーブの膝丈ぐらいのドレスだった。

「うわぁ・・・」

何だか斬新なデザインで、可愛らしいのに裾が切りっ放しになっていてアバンギャルドな感じ?


「ちょっと着てみてくれない?」

そう言われて私はこの前の和室で一人で着替えることにした。


実際に袖を通してみると、見た感じより身体にフィットしていて、まるで私のサイズをわかっているかのようなぴったりのサイズでびっくりする。

普通に売っている洋服って、大体大きいのが多いのにな、まるでオーダーメイドのドレスみたいだ。
あのお店に、こういう系統のドレスとかあったっけな?


後ろのファスナーが一人で上げられなくて、エイジ君を呼んで上げてもらうと、首筋にエイジ君の吐息がかかったような気がしてまたドキドキが止まらなくなる。


「よかった、ぴったりだな・・・」


「凄い可愛いドレス、ありがとうどうしたのこれ?」


私は彼の前でくるっとまわってポーズを取ってみると、やっぱ似合ってるってまた笑ってくれた。



「初めてまともに型紙から洋服作ってみた。」



ええ?エイジ君が作ったのってびっくりしていると、そのまま手をひかれて彼の胸の中で抱きしめられる。

彼の腕の中でそっと顔を見上げると、そのまま唇が重なった。
久しぶりの、深くてとろけるようなキスに、うっとりとしてしまう。


何度も角度を変えて舌を絡めると、エイジ君の息もどんどん上がっていくのがわかった。



「もう脱がしてもいい?」


いきなりそんな風に言われて、そのままうなずくと、優しく私の手をひいてエイジ君の部屋に連れていってもらった。

さっき上げてもらったばかりのファスナーを下げられると、そっとドレスを脱がされる。

彼の部屋には、机の上にこの前きた時にはなかったミシンが置かれていて、机の横には私と同じ背丈ぐらいのトルソーが立てかけてあった。

ドレスをそのトルソーにかけてくれると、やっぱり可愛いなってうっとりとながめた。


改めて下着姿だけになった自分が恥ずかしくなって、思わず両腕で隠すと、エイジ君は着ていたTシャツを脱ぎ捨てて私の両腕を引き寄せながら、そしてそのままベットに押し倒されてしまう。




そうだ、今日はもう私も16歳になったんだって、再び重なった唇を感じながら、ゆっくりと目を閉じた。


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