桃色吐息
「桃・・・ダメだ今日は余裕ないかも・・・」

エイジ君がそういうけれども、私も同じ気持ちだった。

お互いずっと我慢してきたんだもん、始めてのときのあのゆっくりとした感覚はなくて、二人とも何かにせかされるように体中にキスを交わすと、早々と避妊具を装着した彼とそのまますぐに一緒になっていた。




「ゴメン、もう無理・・・」


それは本当に一瞬のことで、だけど初めての時よりもずっとずっと気持ちが高ぶっていて・・・


「えいじくん・・・」

怖いくらいの快感が体中を奔り、ピリピリと痺れる様な感覚、どこかに落ちていきそうなる。

頭がくらくらして一瞬で何も考えられなくなったとたん、それは終わっていた。



「・・・いまのなに?」

終わった後もしばらく息が整わなくて、しばらくは朦朧としてしまう。
この感覚は何だろう?


「何、桃イッたの?」


エイジ君がにやりと笑って、最後にチュッと音を立てて唇にキスをしてくれるから、ああこれがそういう感覚なんだってやっと気付く。



「まだ足りねぇだろ?」



今日はやけにあっという間だったなってぼんやりとしていたら、そんなことを言うから



もう一度はじめから始まった・・・














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