桃色吐息
「桃、KISSして・・・」

何度もそうした後にまたそうおねだりされる。

始めてのあのときから久しぶりだったからかな?
二回目のそれがゆっくりと終わった事後に、私達はまだベットの上で起き上がってそうやってじゃれあったままだった。

このままずっとこうしていられればいいのになんて思う。もうずっとこのまま・・・


「なあ、俺さいつか越えるから、これから沢山何度でもこうしてKISSしよう。」



エイジ君はずっと、ビトのことを気にしてたんだって、そんな言葉でやっと気付いた。
もうこんなに私はエイジ君のことばかりなのに。


「それってどういうこと?」


「お前達の13年間にはまだまだ追いつかないけどさ、きっと越えてみせるから・・・」



言葉ではいくらでもそういうことは言えるだろう。
そのときの情熱にほだされて、叶わない夢を語ることもあるだろう。



きっと、私達はもう永遠なんて存在しないってことを知っている。
どんなに愛し合っている恋人同士ても、別れは必ず来るのだから。



だけれども、それが何だっていうんだろう?

私達はそれでも、一日でも一時間でも、一秒でも長く一緒にいたいと思う。



「ずっと一緒にいれるなんて奇跡かもしれないけれど、それでもそうだといいなって私も思うよ。」





私達はずっと嬉しくて、泣きそうに笑いながら、もう一度吐息を重ねて抱き合っていた。




< 127 / 128 >

この作品をシェア

pagetop