桃色吐息
映画のエンドロールまでしっかり見終わると、私たちは自然と唇を交わしていた。

それはいつものようなキスだと思っていたのだけれど、いつもより長くそれは続いて、次第に深く夢中になっていった。


ああやっと、私たちは本当の恋人同士になれるのかもしれない・・・

そんな風に思いながら、嬉しいような怖いような感情が芽生えていた。




「今日は泊まっていってくれる?」

ビトが耳元でそうつぶやくから、私はそのままうなづいていた。


「じゃあ一緒にお風呂入ろう。」

子供のように無邪気に言うから、いいよって又私は頷く。


彼は嬉しそうに私を抱え上げて、バスルームにつれていってくれると、ゆっくりと私の服を脱がしてくれる。

一緒に入るのは、それこそ子供の頃以来でなんだか恥ずかしかったけど、ビトはとても嬉しそう。


あの頃に戻ったような気がして、はしゃいでお互いを洗い合うと、まだ少し濡れた髪のままでまた私を抱き上げて、ベットルームまで連れて行ってくれる。



「ねえ桃ちゃん、ずっとこうしたかった?」

ビトが私の髪をかき上げるように、首筋からやさしく頭を撫でてくれる。

私はまっすぐな彼の瞳を見つめながら、うんと答えた。




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