桃色吐息
「桃!」

自分の部屋に逃げ込んだ私を追いかけて、蓮が私の部屋をノックした。


ああそうだ、蓮にはちゃんと話しておかなくちゃなって思って、ドアを開けると、二人でベットに座ってて話す。


「やっぱ、さっきビトとそういう話してたんだね。」

私はうなずくと、蓮はいつものように話し出す。


「言い辛かったらいいけどさ、なにがあったか話してみ?」

一通り泣き崩れた後、私は少しづつ蓮に話し出した。



「今日ね、例のショーでビトのストーカーに襲われて髪を切られたの・・・だから、エイジ君の知り合いの美容院に行って髪を切ってきた。」

エイジ君はずっと優しかった、さりげなく私のそばにいてくれて、なすことすべて私のして欲しいことの一歩先を読んで実行してくれた。



「最初からわかってたもん。ビトとはこのまま付き合うなんてこと無理だって・・・
例えビトがアイドルにならなくたって、彼はきっともてるだろうし、色んな女の子がビトを好きになるんだろうなって。

それでも、今まではずっとビトだけだったから、ビトだけが好きだったから、なにがあっても一緒にいたいってずっと思ってた。
でもね、最近よくわかんない・・・」



「ビトから言われたんじゃなくて、桃から別れたいって言ったの?」


「うん、ビトからも、別れようって言われるって何となく解ってたもん。
だって、ミキちゃんとかからも言われてたし。
デビューしちゃったら、付き合うのは難しくなるかもよってね・・・

でもね、ビトのことはきっとずっと嫌いにはなれない・・・一番大切な幼馴染だもん。
ただ、こんな気持ちのままで、付き合っていくのはダメだって思った。」



一気に色々話した後、私は息を吸い込んで思いを吐き出した。






「私、好きな人ができた。」
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