桃色吐息
制服を着替え、お気に入りの部屋着に着替えると、私は鏡の前に座った。

いつも笑顔の練習ばかりしてた気がするけど、そのままの自分でいるってどうするんだろう?

エイジ君と居ると、自然に怒ったり泣いたり出来る。ビトと居たときでさえ、強がって笑ってばかりいたのに。


嫌われたくない

出来ることなら好きになってもらいたい


それにはどうすればいいんだろう?
私の本当にやりたいことはなんだろう?



悩んでいてもしょうがないか…

ああ、お茶を淹れてあげなくちゃと、私は急いで下の部屋に戻った。




居間に戻ると、蓮も帰ってきていて、べべさんとエイジ君と三人で何かずっと話してる。

べべさんはなんでもズバズバ言う人だからなぁ。ちょっと心配ではあるけど、
でもビックリするぐらい的を得たドキッとするようなことを言うので凄いんだ。

やっぱり、世界のトップに立った歌姫なんだよなって、たまに思う。



「ああ、蓮おかえりなさい。」

それだけ言うと、私はキッチンにむかってお茶を淹れに行った。
さっきはコーヒー飲んだから、日本茶で良いかな?


お湯を沸かして急須に茶葉をいれると、湯冷ましを通したお湯を注いで丁寧にお茶をいれる。
いつもお母さんがやってること。

今でもぼんやりと思うことは、お母さんみたいになりたいなぁあってこと。
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