桃色吐息
日曜日はデートしたい!



いきなり思いついて、さてどうやって切り出そうかと考えてみる。

ラフォーレって、凄くお洒落なお洋服屋さんがいっぱい入ってるとこだよね、確か?
行ったことないんだよな・・・

今までの引きこもりの生活を思い出すと、近所のスーパーぐらいしか行ってなかったんだ。
遠くても自由が丘どまり。


ふと髪の毛を触ると、そうだもう切ったんだったと改めて思う。

そうだよ、昔のあんな悶々とした私は、捨てちゃえって思ったんじゃない。



「ねえ、エイジ君日曜日暇?」

思い切って聞いてみると、暇だけど何って聞き返される。



「ラフォーレのバーゲンがあるんだけど、私行ったことないんだよね。一緒に付き合ってくれないかなあ?」


なるべく不自然にならないようにそう聞いたんだけど、緊張して引きつってたかも?



「ああ別にいいよ。」


エイジ君はすぐに快諾してくれたんだけれども、少し間をおいてちょっと複雑な顔をした。
何かしまったって感じの顔・・・

私は一緒に行ってくれるって言うのが嬉しくなって、調子にのってしまい、じゃあパンケーキも食べに行こうって誘ったら、それはこの前みたいに即効拒否られて少しへこんだ。



エイジ君の横顔をチラッとのぞくと、なんだか凄く憂鬱そうな顔をしている。

そんなに私と行くのが苦痛なのかナァ・・・



この前2人で、表参道を走ったときは、とっても楽しかったのに。
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