桃色吐息
ラフォーレがオープンすると、みんな小走りに目的のお店に向かっていく。
私は特にここっていうお店を決めていなかったので、とりあえず一番上に行ってみようとエイジ君を誘った。
「まず上から順番に下に行こう、とにかく全部見たいんだ。」
私はなんだか舞い上がってしまって、彼が複雑な顔をしていたのをその時はまだ気付かなかった。
好みの服が何着か見つかって、後はバックと靴とって、色々エイジ君にも聞きながら買い物するのが楽しい。
3階位の店に来ると、丁度好きな雑貨屋さんなんかもあって、また色々見ていた。
「あ、あのさ、下のほうってモモの好きな服はないと思うぜ。」
エイジ君はそんな風に言うけど、見てみなきゃわからないよって軽く流してしまう。
荷物が多くなっていったけど、エイジ君はさりげなくそれを持ってくれて助かるな。
1階まで戻って、地下の階に降りていく途中で、エイジ君は急にここで待ってると言い出したので、ああ疲れさせちゃったかなと思って、ちょっと反省した。
「ごめんね、じゃああとは一人で見てくるね。」
買い物したものをエイジ君に預けると、向こうからこの前蓮が言っていたエイジ君の好きそうな服装をした女の子が居るのを見つけた。
首にネームプレートを提げているから、どこかのショップの店員さんだなって思ったとたん、彼女はいきなりエイジ君に話しかける。
「あれ、エイジじゃん、なに彼女と買い物?」
エイジ君がその声を聞いたとたん、慌てて振り向くから、その態度でわかってしまった。
ああこの人かって・・・
エイジ君はなんだか急におどおどして、まるで小学生の少年のようになってしまう。
こんな表情するのは初めて見た・・・
「こんにちわ~ エイジ君のお友達?」
私は精一杯笑顔を作ろうとがんばったんだけど、どうしても引きつってしまう。
ダメだ、泣きそうだ・・・
「何してんだよ、店はあっちだろ・・・」
私が向かおうとしていたほうを指差してそんなことを言うから、ああ私に彼女を会わせたくなかったのかと、やっと気がついてしまった。
「だって、私今日遅番だもん、今来たんだよ。」
彼女は何も気にしていない風に、普通にそういうと私にもにっこりと微笑みかける。
「ふーん、良かったじゃん、彼女できて。めっちゃかわいいじゃん!」
そんな風にちょっと上から言われて、複雑な気分。
「そんなことないですよ~」
私はにらむように微笑み返していた。
「私はただのライブ仲間だから、安心してね。」
そんな風に彼女は言うけど、そんなわけないって知ってるもの。
ああやだ、なんだかこの空気に耐えられなくなってきていた。
すると、エイジ君は急に私の手を取って、無理やりお店を出ようとする。
「もう全部見ただろ、帰ろう桃。」
私はされるがままに、エイジ君に引きずられて、ラフォーレを後にしていた。
私は特にここっていうお店を決めていなかったので、とりあえず一番上に行ってみようとエイジ君を誘った。
「まず上から順番に下に行こう、とにかく全部見たいんだ。」
私はなんだか舞い上がってしまって、彼が複雑な顔をしていたのをその時はまだ気付かなかった。
好みの服が何着か見つかって、後はバックと靴とって、色々エイジ君にも聞きながら買い物するのが楽しい。
3階位の店に来ると、丁度好きな雑貨屋さんなんかもあって、また色々見ていた。
「あ、あのさ、下のほうってモモの好きな服はないと思うぜ。」
エイジ君はそんな風に言うけど、見てみなきゃわからないよって軽く流してしまう。
荷物が多くなっていったけど、エイジ君はさりげなくそれを持ってくれて助かるな。
1階まで戻って、地下の階に降りていく途中で、エイジ君は急にここで待ってると言い出したので、ああ疲れさせちゃったかなと思って、ちょっと反省した。
「ごめんね、じゃああとは一人で見てくるね。」
買い物したものをエイジ君に預けると、向こうからこの前蓮が言っていたエイジ君の好きそうな服装をした女の子が居るのを見つけた。
首にネームプレートを提げているから、どこかのショップの店員さんだなって思ったとたん、彼女はいきなりエイジ君に話しかける。
「あれ、エイジじゃん、なに彼女と買い物?」
エイジ君がその声を聞いたとたん、慌てて振り向くから、その態度でわかってしまった。
ああこの人かって・・・
エイジ君はなんだか急におどおどして、まるで小学生の少年のようになってしまう。
こんな表情するのは初めて見た・・・
「こんにちわ~ エイジ君のお友達?」
私は精一杯笑顔を作ろうとがんばったんだけど、どうしても引きつってしまう。
ダメだ、泣きそうだ・・・
「何してんだよ、店はあっちだろ・・・」
私が向かおうとしていたほうを指差してそんなことを言うから、ああ私に彼女を会わせたくなかったのかと、やっと気がついてしまった。
「だって、私今日遅番だもん、今来たんだよ。」
彼女は何も気にしていない風に、普通にそういうと私にもにっこりと微笑みかける。
「ふーん、良かったじゃん、彼女できて。めっちゃかわいいじゃん!」
そんな風にちょっと上から言われて、複雑な気分。
「そんなことないですよ~」
私はにらむように微笑み返していた。
「私はただのライブ仲間だから、安心してね。」
そんな風に彼女は言うけど、そんなわけないって知ってるもの。
ああやだ、なんだかこの空気に耐えられなくなってきていた。
すると、エイジ君は急に私の手を取って、無理やりお店を出ようとする。
「もう全部見ただろ、帰ろう桃。」
私はされるがままに、エイジ君に引きずられて、ラフォーレを後にしていた。