桃色吐息
12
「大丈夫か?」


「うん、大丈夫。」


気がつくと、2人で汗まみれになって、それでもまだ離れたくなくて、ずっと抱き合っていた。


付けるの忘れてたといって、やっと彼が冷房をつけてくれると、今度はほんのり肌寒い気もしてくる。


私はまだ呼吸が整わない。まだずっとお腹の中に彼が居るみたい・・・



「ありがとう、エイジ君・・・」


彼の胸にもぐりこむと、おでこにそっとキスをしてくれた。




ああ、もっとしたいなあなんて、思いながらも、そんな風に思う自分が恥ずかしくも思えて


汗まみれのシーツの上でしばらくそうしていたら、2人同時にお腹の音がなった。



「なんだかお腹空いたね。」

「そうだ、朝から何にも食べてないじゃん。」


時計を見ると、もう夕方で、何時間もそうしていたのかと、我ながら凄いなって思う。


「じゃあ、私なにか作ろうか?」


足元に丸まっていた洋服を取って着替えようとしたら、

「よし、風呂はいろう。」
そんな風に言われ、裸のまま抱き上げられると、バスルームに連れて行かれていた。




2人で一緒に、はしゃぎながらシャワーを浴びて、なんだかそれがあの時のビトのことを少し思い出して、心が少し痛んだけれど・・・



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