桃色吐息
すっかり綺麗に食べ終わって、二人で並んで食器とかを洗っていたら、ミチルさんが帰ってきた。


「ただいま~ エイジお友達がきてるの?」

ミチルさんは私の顔を見ると、酷く驚いている。

「すいません、お邪魔してます。」


いつもの感じで、そういって会釈していた。


「えっと、桃ちゃんだっけ?蓮君の妹さんの?」

この前うちに来てくれたんだっけ…
そういえばあの時エイジ君の彼女が私だったら良いなんていってくれたことも思い出して、なんだか恥ずかしくなった。

言霊ってあるんだなって思う。


「すいません、勝手にキッチン使わせてもらいました。」

キッチンは主婦の砦だもの、なんか悪いなって思ったんだけども、ミチルさんはかえって嬉しそうに、ニコニコしてそんなこと全然いいのよーなんて言ってくれた。



「何だ、くるって分かてれば、色々用意してたのになあ・・・ゴメンネろくな食材もなかったでしょう。」



私もこんな風になるとはまったく思っていなかったからな・・・



ミチルさんがお茶でも淹れてくれるって言ってくれたんだけれども、ふと時間を見るともうすぐ門限で、この前の怒ったお父さんの顔が思わず目に浮かんでしまった。


「あ、もうすぐ門限だ、帰らなきゃ!」


「じゃあ俺送って来るわ・・・」


とっさにエイジ君も一緒に帰る準備をしてくれる。


「また何時でもいらっしゃいね~」


ミチルさんもそんな風に言ってくれたのがやたら嬉しくなった。
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