桃色吐息
すっかりお弁当を食べ終わると、もうランチ休憩の時間は終わってしまって、私はもう帰ることにした。
「駅まで送ってやるよ。」
そういって向かった先は、いつもの原宿駅じゃなくて、反対側の表参道駅の方だった。
「なあ、今度からはこっちの駅から来て。」
人通りの少ない裏通りの坂道を登ると、駅は結構近くてびっくりした。
「なんで?」
原宿の方が乗り換え少なくて来やすいんだけどなあ・・・
「また色んな人に声かけられないようにさ。こっちだと人が少ないし、歩きやすいだろ?」
そして、地下鉄から東急の乗換えを教えてくれたので、交通費もそんなに高くはなかった。
色々知ってるんだなあ・・・そして、色々考えてくれてんだなって思う。
「そんなに心配しなくても大丈夫だけどなあ・・・」
そうつぶやいたとたん、ひとつ思い出してしまった、何であっち方向がダメなのか。
ラフォーレの前を通るからだ・・・
きっと、あの辺を歩いていたら、また例の彼女に遭遇してしまうかもしれない。
そう思い出してしまうと、むねがチクンと痛くなる。
私も会いたくないもの、だから明日からはちゃんとこっちから来るようにしようと思った。
エイジ君は、こんなに近くでバイトしていて、あの人に会ったりしないのかなあ?
「桃、どうした?」
駅の改札前でぼんやりとそんなことを考えていると、エイジ君が私の顔を覗き込んで心配してくれる。
「なんでもない。じゃあ、エイジ君バイトがんばってね!」
私は手を振りながら、改札を通り抜けてホームに向かう。
「気をつけて帰れよ。」
何度も振り返って手を振ると、エイジ君は見えなくなるまで改札のところで見守ってくれていた。
「駅まで送ってやるよ。」
そういって向かった先は、いつもの原宿駅じゃなくて、反対側の表参道駅の方だった。
「なあ、今度からはこっちの駅から来て。」
人通りの少ない裏通りの坂道を登ると、駅は結構近くてびっくりした。
「なんで?」
原宿の方が乗り換え少なくて来やすいんだけどなあ・・・
「また色んな人に声かけられないようにさ。こっちだと人が少ないし、歩きやすいだろ?」
そして、地下鉄から東急の乗換えを教えてくれたので、交通費もそんなに高くはなかった。
色々知ってるんだなあ・・・そして、色々考えてくれてんだなって思う。
「そんなに心配しなくても大丈夫だけどなあ・・・」
そうつぶやいたとたん、ひとつ思い出してしまった、何であっち方向がダメなのか。
ラフォーレの前を通るからだ・・・
きっと、あの辺を歩いていたら、また例の彼女に遭遇してしまうかもしれない。
そう思い出してしまうと、むねがチクンと痛くなる。
私も会いたくないもの、だから明日からはちゃんとこっちから来るようにしようと思った。
エイジ君は、こんなに近くでバイトしていて、あの人に会ったりしないのかなあ?
「桃、どうした?」
駅の改札前でぼんやりとそんなことを考えていると、エイジ君が私の顔を覗き込んで心配してくれる。
「なんでもない。じゃあ、エイジ君バイトがんばってね!」
私は手を振りながら、改札を通り抜けてホームに向かう。
「気をつけて帰れよ。」
何度も振り返って手を振ると、エイジ君は見えなくなるまで改札のところで見守ってくれていた。