桃色吐息
ライヴが終わると、もう門限は過ぎていたけれど、今日はちゃんとお母さんに遅くなるって言ってきたから大丈夫。

蓮やその友達と合流して、みんななんだかちょっとテンションが上がっていた。

「ねぇ~どっかでご飯食べていこうよ!」

カオリさんが元気にそういうけど、私はあんまり遅くなるとダメだなって思っていた。


「じゃあさ、うちくれば?桃は遅くなるとお父さんに怒られるし。」


蓮がそんな提案をしてくれて、お母さんに連絡すると、いつものようにきまえよくみんなおいでって言ってくれるから、団体のままうちに帰ることになった。

内幸町から三田線で一本で帰れるから結構近いしね。


「えーいいの?ほんとに??」

カオリさんは、何か凄い期待してるみたいで、嬉しそうだ。きっとうちのお父さん目当てだろうな。




エイジ君とカオリさんとナホさんとシンジさん。それと私と蓮。
みんなで適当に雑談しながらうちに向かう。

そういえば、カオリさんがうちに来るのはじめてかも?

そう思うと、本当エイジ君はよく来てくれてたんだなって思う。



いつもの我が家の居間は、親たちが適当に宴会をしていて、ただいまーって帰ってくると、かず叔父さん達がお帰りって、陽気に宴会の輪に入れてくれた。


「え~大野さん?ほんものだぁ」

いつもは控えめな大野さんが一気に注目されていて、なんだかおかしかった。


「なに、みんな蓮君のお友達?」

蓮がみんなを適当に紹介している間、私はお母さんを手伝いにキッチンへいって、みんなの食事の用意を手伝った。


「ねえ、どの子がカオリちゃん?」

お母さんがあとからみんなのところに行って、蓮の彼女だって紹介してもらっている。
カオリさんも珍しく、緊張しているみたいだった。





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