桃色吐息
「着替えとタオル、ここにおいときますね。」

私はお風呂場の二人に声をかけると、下に降りてお風呂上がりにハーブティをいれようと思た。
いつも自分が飲んでるからなんだけど。

いつもは夏でも温かいのだけど、今日は冷たいやつにしようかな?

あ、男子たちも飲むかなぁ?

降りる前に蓮の部屋をノックすると、三人の話し声が聞こえた。

「ねえ、お茶いれるけど飲むかなぁ?」

返事が聞こえたのでそっとドアを開けると、エイジ君とシンジさんが物凄いビックリした顔で私を見てる。
何かあったの?

「お前、何で浴衣着てんの?」

ああ、私には普通に寝巻きなんだけど…

「うちは寝巻きは浴衣なの。そんな普通じゃない?」

蓮がそう説明してくれたけど、ああそうなんだって二人はちょっと複雑に笑った。


なんか変だったかな?


とりあえずみんな飲むっていうから、6人分のお茶の用意をキッチンでしていると、お父さんがまだ居間でゲームをしていた。


「桃、まだ寝ないのか?」

ちょとこっちを振り向いてお父さんがいう、っていうか、明日早いんじゃないのかな?
又お母さんにしかられるよ。

「お父さんも飲む、ハーブティ。」

そう聞くとすぐ飲むっていうから、ついでにいれてあげた。


「はいどうぞ。」

「ああ、ありがとう。てかお前さ、そんな格好であいつのとこ行くんじゃねーぞ。」

又ゲームを始めながらそんなことを言ってくる。


もうさっき行っちゃったけどなぁ

「何で?」

「きっと眠れなくなる、奴なら…」


どういう意味だろう?

「でも、さっきお茶持っていってあげるっていっちゃった。」


「バカ、じゃあそれ俺が持ってくから、お前はさっさと自分の部屋に入ってなさいよ。
朝も寝巻きのまま出てくるんじゃないよ!」

お父さんはお茶を半分奪い取って、さっさと上に持っていってくれた。


私もちょっと遅れて自分の部屋に戻ると、二人ともお風呂から上がって髪を乾かしながらおしゃべりしていた。

お布団、お母さんが敷いておいてくれたんだなぁ。


「桃ちゃん、気が利くねぇ~喉乾いてたの。」

二人は喜んでいれてきたお茶を飲んでくれた。



「桃ちゃんち、寝巻きは浴衣なんだねぇ、さっきりんさんもそうだったからビックリした。」

二人にはお客様用のパジャマ出しちゃったけど、浴衣がよかったかな?

「なんかいいよね、旅館みたい。」

カオリさんはそういうけど、
「って言うか、ちょっと色っぽいよね。」ってナホさんには言われた。


「エイジ君は知ってるの?」

二人がニヤニヤして話すから、いつものことなのに、恥ずかしくなる。

「さっき部屋のぞいたら、ビックリされちゃったんだけど…」

そりゃそうだよって二人は又笑う。


「こりゃあ、きっと今夜は眠れないんじゃない。」



私もなんだか気になって眠れなくなりそうだなと、がんちゃんを抱きしめながらそう思った。



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