桃色吐息
ナホさんは、カオリさんから色々聞いてるんだろうなあ・・・

カオリさん、すぐ人の世話焼きそうだから、あの人ともきっと仲良くなったんだろうな・・・でないとこんな態度にならないと思う。

私が気にして、色々愚痴愚痴言ってたら、きっとカオリさんも困っちゃうよ。



「今は、私が彼女ですから。
私はただ、好きな人のそばにいれるってだけで、それだけで充分ですから。
これからは、あんまり気にしないようにします。」


自分の気持ちに嘘をついて、二人に笑って見せると、急にカオリさんが立ち上がる。


そして私の隣に来て、ぎゅっと抱きしめてくれた。


「愛いやつめ・・・桃ちゃんいい子いい子・・・」

そうやって、私の頭をなでてくれるのが、何だかエイジ君がいつもしてくれるのと似てるなって思ってしまった。





「そういえばさ、この後どうする?」

すっかりパンケーキも食べ終わって、お湯のお変わり自由の紅茶もいい加減飲み終わった頃、ナホさんが言う。


「いったん店代えようか? どっかゆっくり出来るカフェとかないかなあ?」

時間大丈夫って聞かれるので、私は今日は一日暇なので大丈夫ですよって答えた。


そして今度は、三人で表参道の方面に歩いて、裏原の遊歩道の近くにある、隠れ家っぽいカフェに入った。

半分レコード屋さんになっていて、奥がカフェなんだけど、カフェメニューも本格的で美味しそう。

「あれ、ナホちゃんカオリちゃん、久々じゃん。」


お店の定員さんは、2人の知り合いらしく、インディーズで有名なスカバンドのボーカルの方だって紹介してもらう。

「ヒデさん相変わらず暇そうだね。」

二人は楽しそうに、奥の広いテーブル席を陣取って、私もそこに誘ってくれる。


「うちはレコードの通販がメインだからね、お店の方は趣味でやってるから。」



私はまた美味しそうなケーキセットを頼むと、二人は今度は飲みモードになったらしく、カクテルとツマミのセットなんかを頼んでいる。



「ここいいでしょ、和むんだよね。」

カオリさんが嬉しそうなのが、私も何だか嬉しくて、この店のお洒落な感じもとても気に入ってしまった。


そういえば、エイジ君の働いているお店もこの辺だよなあ・・・後でちょっとのぞいてみようかな?




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