桃色吐息
お店はずっと、ゆったりしたスカの音楽が流れていて、とても気持ちがいい。
「そういえば、今年はサマソニ行くの?桃ちゃん。」
そうだ、毎年行ってたけど、今年はどうしよう・・・
ビトと付き合ってたから行ってたようなものなのに、今年は行ってもいいのかな?
べべさんに頼めば、きっと私と蓮の分くらいはチケット用意してくれるんだろうけど、あの人はそういうの気にしない方だから。
「今年は、エビボ出るんだよ! だらから、ビトも出演者だから、会場の周りには居ないんじゃない?」
人気も出ちゃったしねってそんな風にカオリさんが言ってくれるから、ビトと気まずいし行っても大丈夫かなってぼんやり思う。
去年まではずっとビトと二人きりで、べべさんの楽屋の近くをちょろちょろしてただけだけど、今年はちゃんと見てみたいなあ・・・
「エイジ君も行くなら、行きたいなあ・・・」
やっぱそうだよねって、二人はニヤニヤして話す。
「今年は、結構エイジ君好きそうな、海外のパンクバンドも出るよ。
あ、LieWooとかも出るじゃん、桃ちゃんも知り合いなんじゃないの、ダイスケさん。」
蓮がそんな風に言ってたっていうので、だれだっけってぼんやりと思い出す。
「ああ、お母さんの元彼の人だ。」
子供の頃、一回だけ遊んでもらった事がある。
子供ながらに、この人はお母さんの大事な人なんだろうなって思ったんだ。
お父さんの様子もおかしかったし。
「えー蓮はそんなこと一言も言ってなかったよ・・・」
蓮はきっとわかんなかったと思う、そういうのにぶいから。
「素敵な大人のおじさんって感じでしたよね・・・ギター上手だったなあ。」
そういえばこの前も、お父さんと音楽番組で共演していたっけ。
仲良さそうに話していたのが、何だか不思議だった。
大人になると、そういう微妙な関係をすべて乗り越えて、友達になれるものなんだなあ。
「私も、ダイスケさんとお父さんみたいに、いつかリンダさんと仲良くなれるのかなあ・・・」
すでに、エイジ君とビトは、仲が良いみたいだもんな。
私は・・・今は想像しただけでも、もやもやして辛いのに。
「別に、仲良くなる必要なんかなくない? 私なんて、元彼とか一切連絡取ってないよ。」
ナホさんが、平然とそういってくれるので、ああそうかって気付いた。
そうだよな、周りの人みんなと仲良くするなんて無理だもん。
中学生のときみたいに、周りのみんなに合わせまくって、自分のキャラを作って、そういうのはもう疲れたんだ。
あの時、エイジ君が開放してくれたんだなあ・・・ そのままでいいって。
「よそはよそ、うちはうちだよ。嫌いな人を無理に好きになったり仲良くしたりする必要ないしさ、必要最低限関わらなきゃいけない人とは、極力うまく行くように努力するけど、それ以外はクソだわ。」
カオリさんもそんな風に言って大きく笑った。
「そういえば、今年はサマソニ行くの?桃ちゃん。」
そうだ、毎年行ってたけど、今年はどうしよう・・・
ビトと付き合ってたから行ってたようなものなのに、今年は行ってもいいのかな?
べべさんに頼めば、きっと私と蓮の分くらいはチケット用意してくれるんだろうけど、あの人はそういうの気にしない方だから。
「今年は、エビボ出るんだよ! だらから、ビトも出演者だから、会場の周りには居ないんじゃない?」
人気も出ちゃったしねってそんな風にカオリさんが言ってくれるから、ビトと気まずいし行っても大丈夫かなってぼんやり思う。
去年まではずっとビトと二人きりで、べべさんの楽屋の近くをちょろちょろしてただけだけど、今年はちゃんと見てみたいなあ・・・
「エイジ君も行くなら、行きたいなあ・・・」
やっぱそうだよねって、二人はニヤニヤして話す。
「今年は、結構エイジ君好きそうな、海外のパンクバンドも出るよ。
あ、LieWooとかも出るじゃん、桃ちゃんも知り合いなんじゃないの、ダイスケさん。」
蓮がそんな風に言ってたっていうので、だれだっけってぼんやりと思い出す。
「ああ、お母さんの元彼の人だ。」
子供の頃、一回だけ遊んでもらった事がある。
子供ながらに、この人はお母さんの大事な人なんだろうなって思ったんだ。
お父さんの様子もおかしかったし。
「えー蓮はそんなこと一言も言ってなかったよ・・・」
蓮はきっとわかんなかったと思う、そういうのにぶいから。
「素敵な大人のおじさんって感じでしたよね・・・ギター上手だったなあ。」
そういえばこの前も、お父さんと音楽番組で共演していたっけ。
仲良さそうに話していたのが、何だか不思議だった。
大人になると、そういう微妙な関係をすべて乗り越えて、友達になれるものなんだなあ。
「私も、ダイスケさんとお父さんみたいに、いつかリンダさんと仲良くなれるのかなあ・・・」
すでに、エイジ君とビトは、仲が良いみたいだもんな。
私は・・・今は想像しただけでも、もやもやして辛いのに。
「別に、仲良くなる必要なんかなくない? 私なんて、元彼とか一切連絡取ってないよ。」
ナホさんが、平然とそういってくれるので、ああそうかって気付いた。
そうだよな、周りの人みんなと仲良くするなんて無理だもん。
中学生のときみたいに、周りのみんなに合わせまくって、自分のキャラを作って、そういうのはもう疲れたんだ。
あの時、エイジ君が開放してくれたんだなあ・・・ そのままでいいって。
「よそはよそ、うちはうちだよ。嫌いな人を無理に好きになったり仲良くしたりする必要ないしさ、必要最低限関わらなきゃいけない人とは、極力うまく行くように努力するけど、それ以外はクソだわ。」
カオリさんもそんな風に言って大きく笑った。