桃色吐息
三人で裏原のエイジ君が働いている店に向かう。
カオリさんは始終落ち着きがなくて、ほんとアキラって人が好きなんだろうなって思った。
蓮がいたら絶対焼きもち焼いちゃうよ。
「こんにちわ」
いつものように店に入ると、岩渕さんが満面の笑顔で「いらっしゃい」っていってくれてなんだか嬉しくなる。
「なんだ、今日は来ないってエイジに聞いてたから、ガッカリしてたのに来てくれたあ~」
エイジ君はずっと接客をしていて、こっちに気がついて目で合図してくれたのがわかった。
「今日はお友だちをつれてきたんです。」
カオリさんとナホさんも、こんにちわって挨拶をして、お店の中を色々と見ていた。
カオリさんがそわそわしながら、エイジ君の接客している男の子を遠目で見ている。きっとあの人がアキラなんだな。
「カオリ、声掛けなくていいの?」
ナホさんがそう急かしても、カオリさんはいいんだという。
「だってプライベートでしょ?邪魔しちゃ悪いじゃん。遠目で見れればいよ。」
私は奥に用意してくれたベンチシートに座って、ナホさんと一緒にライヴビデオを見ていた。
「ああこれ、この前のエアジャムですね!」
ナホさんは知ってるライヴだったらしく、すぐに岩渕さんと打ち解けて音楽の話を楽しそうにしていた。
アキラ君は買う服がやっと決まったようで、レジのところで会計をしている。
「あのすいません、友達がファンなもんでちょっと紹介してもいいっすか?」
エイジ君は気を聞かせてカオリさんを呼ぶと、めちゃくちゃ照れながらアキラくんに握手してもらっていた。
「えっと確か、カオリちゃんだよね? いつも応援してくれてありがとう。」
アキラ君はそう言うと、ニッコリと綺麗なアイドルスマイルで微笑んだ。
「ええ!覚えてるの?」
カオリさんがビックリして叫んでしまうと、ファンの子の顔は大体覚えてるとまた笑った。
「この前の握手会も来てくれたし、コンサートもいつも来てるでしょ?」
当たり前のように言うから私もビックリしてしまった。
「ビトなんか、全然覚えてないって言ってたのに、すごいな…」
そうだ、私がたまに焼きもち焼くと、ファンの子なんか顔もわかんないよってよく言ってたもの。
「あれ?どっかで会ったっけ?」
私の方を見ていきなりそういわれるので、初めましてですよって答えると、エイジ君が笑った。
「人の彼女口説かないでくださいよ。」
そんな風にいきなり彼女とか紹介されてテレる…
「え? あの二宮桃?全然雰囲気変わってわかんなかった…」
急にフルネームで呼ばれて、なんで知ってるんだろうってビックりした。
「なんで知ってるの?私の事。」
って言うか、何でこの流れで、私の名前が出てくるの?
「ごめん、ビトから聞いた… 元カノの今の彼氏がここで働いてるって…
顔も、何度も写真とか見せてもらってたし、二宮さんから。」
ビトがそんなこと人に言うかなってちょっと不思議に思ったけど…
「ビトはそんなこと言わねーだろ。」
エイジ君が急に真剣にそういうからちょっと怖くなる。
なんか喧嘩売ってるみたい…
「ごめん、ちょっと嘘。写真はほんとだよ、いつも娘自慢してるから…
元カノの彼氏ってのは百花から聞いた。」
そんな名前を出されて私は誰だかわからなくてぼんやりとしてしまう。
「もしかして、アイドルの倉橋百花? あの人、ビトのヤラカシだって噂聞いたことあるけど。」
カオリさんが言うと、アキラ君は違うよって否定する。
「確かに聞いたのはあいつからだけど、ヤラカシじゃないよ。ただの度が過ぎたファンだって…」
それをヤラカシてるって言うんじゃないのかなって思ったけど、必死に彼女をかばってる風でなんだかわかってしまった。
カオリさんは始終落ち着きがなくて、ほんとアキラって人が好きなんだろうなって思った。
蓮がいたら絶対焼きもち焼いちゃうよ。
「こんにちわ」
いつものように店に入ると、岩渕さんが満面の笑顔で「いらっしゃい」っていってくれてなんだか嬉しくなる。
「なんだ、今日は来ないってエイジに聞いてたから、ガッカリしてたのに来てくれたあ~」
エイジ君はずっと接客をしていて、こっちに気がついて目で合図してくれたのがわかった。
「今日はお友だちをつれてきたんです。」
カオリさんとナホさんも、こんにちわって挨拶をして、お店の中を色々と見ていた。
カオリさんがそわそわしながら、エイジ君の接客している男の子を遠目で見ている。きっとあの人がアキラなんだな。
「カオリ、声掛けなくていいの?」
ナホさんがそう急かしても、カオリさんはいいんだという。
「だってプライベートでしょ?邪魔しちゃ悪いじゃん。遠目で見れればいよ。」
私は奥に用意してくれたベンチシートに座って、ナホさんと一緒にライヴビデオを見ていた。
「ああこれ、この前のエアジャムですね!」
ナホさんは知ってるライヴだったらしく、すぐに岩渕さんと打ち解けて音楽の話を楽しそうにしていた。
アキラ君は買う服がやっと決まったようで、レジのところで会計をしている。
「あのすいません、友達がファンなもんでちょっと紹介してもいいっすか?」
エイジ君は気を聞かせてカオリさんを呼ぶと、めちゃくちゃ照れながらアキラくんに握手してもらっていた。
「えっと確か、カオリちゃんだよね? いつも応援してくれてありがとう。」
アキラ君はそう言うと、ニッコリと綺麗なアイドルスマイルで微笑んだ。
「ええ!覚えてるの?」
カオリさんがビックリして叫んでしまうと、ファンの子の顔は大体覚えてるとまた笑った。
「この前の握手会も来てくれたし、コンサートもいつも来てるでしょ?」
当たり前のように言うから私もビックリしてしまった。
「ビトなんか、全然覚えてないって言ってたのに、すごいな…」
そうだ、私がたまに焼きもち焼くと、ファンの子なんか顔もわかんないよってよく言ってたもの。
「あれ?どっかで会ったっけ?」
私の方を見ていきなりそういわれるので、初めましてですよって答えると、エイジ君が笑った。
「人の彼女口説かないでくださいよ。」
そんな風にいきなり彼女とか紹介されてテレる…
「え? あの二宮桃?全然雰囲気変わってわかんなかった…」
急にフルネームで呼ばれて、なんで知ってるんだろうってビックりした。
「なんで知ってるの?私の事。」
って言うか、何でこの流れで、私の名前が出てくるの?
「ごめん、ビトから聞いた… 元カノの今の彼氏がここで働いてるって…
顔も、何度も写真とか見せてもらってたし、二宮さんから。」
ビトがそんなこと人に言うかなってちょっと不思議に思ったけど…
「ビトはそんなこと言わねーだろ。」
エイジ君が急に真剣にそういうからちょっと怖くなる。
なんか喧嘩売ってるみたい…
「ごめん、ちょっと嘘。写真はほんとだよ、いつも娘自慢してるから…
元カノの彼氏ってのは百花から聞いた。」
そんな名前を出されて私は誰だかわからなくてぼんやりとしてしまう。
「もしかして、アイドルの倉橋百花? あの人、ビトのヤラカシだって噂聞いたことあるけど。」
カオリさんが言うと、アキラ君は違うよって否定する。
「確かに聞いたのはあいつからだけど、ヤラカシじゃないよ。ただの度が過ぎたファンだって…」
それをヤラカシてるって言うんじゃないのかなって思ったけど、必死に彼女をかばってる風でなんだかわかってしまった。