好きだよ。
始業式から2週間がたって、クラスのみんなの名前がわかるようになってきた。

昼休み、私はりんが購買から帰ってくるのを1人で待っていた時…

「おい、中野。」

あの時ぶつかった男の子、竹ノ内優希が話しかけてきた。

「ん?なに?」

優希はまぁ、かっこいい方で、みんなからは『冷たい王子様』と呼ばれている。

「中野って森と付き合ってるん?」

こいつ、皐月に彼女がいること知らないのか…しかもあんまり話さないのに急にそんなこと聞かれても…

「違うよ。違うどころか彼氏すらいないよ。優希くんは?いるの?」

わざと困らせるように言ってみた。のに…私が皐月と付き合ってないと聞いて笑顔になっていた。

そんなに私に彼氏がいない事が嬉しいのか。。

「いるわけないよ。俺モテないし、みんなににらまれたって言われるし。」

…うん。私もその1人。

「にらんだつもりがないならそういえばいいじゃん?」

「うん、そうするわ。ありがと、中野。んじゃまた後で。」

なんか優希くんへの誤解がとけた気がする。

「優希と何話してたん?」

皐月が急に話しかけてきた。

「え?何って…」

付き合ってるかどうか聞かれたなんて言えるわけがない。
でもここで言わないと、優希くんと私の間に何かがあったようになってしまう。

「聞かれたんだよ。」
「なにを?」

まぁ、そうなりますよね。笑

「私と…」
「森、俺は中野に英語の課題教えてもらってただけだから。」

そう聞いた皐月は『え!?課題あったっけ!?やべーやってねー』とすぐに自分の席に戻った。

もしかして優希くんは優しいのかもしれない。。

…………………………………
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