好きになっちゃいけません!
「実は私、
今まで彼氏とかいた経験がなくてですね」
「へぇーモテそうなのにー」
「いえ。モテるわけでもないんです。実際。
告白されたことも、したことも...
あ、ありませんし...」
「あぁ、悪ぃ」
「それで、ですね。
高校に入学したものの、
未だ男子から声をかけられることもなく
女子とも特に仲良くできてるわけでもなく
その...リア充感!!と、いいますか...」
「はぁ...」
何言ってんだこいつ
「...ああ!もう!!
一言で言います!!
私、モテたいんです!!」
頭おかしい...
「色んな男子にチヤホヤされたいんです!!
だから!その為に!!!
あなたみたいな
普通の高校生男子と付き合えば!!」
「うるせえ!!」
「そしたら!!ほかの男子も
『あれ、これ俺もしかしたら??
ワンチャン??いけちゃうんじゃね??』
ってなるかなって!!そう思って!!
だから、付き合ってほしいんですよ!!」
「はぁ...」
「これ、あなたにとっても
いいお話だと思いますよ?
私みたいな高嶺の花と付き合えるなんて、
『ふり』とはいえ、幸せなのでは?」
自分で言うのか
「あ!ただし!!条件があります!!」
「条件?」
「最初にも言ってた、『キスすること。』
まあ、これも『ふり』とはいえ、
『キスをしました!』っていうような
そういう...えっと、つまり!
『キスプリ』!!的な!!
それでリア充感を!バーン!!と!!」
「はぁ...」
「それで、
『ほんとうに付き合ってるんだ』って
信じてもらうんですよ!!
そして、『私を好きにならないこと』」
「はあ!?」
「これだけは、絶対に守ってください!!
私のこと絶対好きにならないで!」
「言われなくてもならねえよ!!」
「ああ!!よかったです!!
そして、まぁ、これは当たり前ですけど...
『付き合ってるふりしてる』ってことを
絶っっっ対に!!
誰っっっにも!!
言わないでください!!」
「ああ、はいはい。わかってるって」
「あら!
思ったよりも
理解が早くてよかったです♪」ニコッ
気持ち悪い作り笑顔
「と、いうことで、いかがです?」
「嫌だ!!」
そんなめんどくさいこと、
引き受けてたまるか!!
「どうしてですか!!
それじゃ、私毎日あなたの教室まで行って、
好き好きアピールするわよ!!」
「もう勝手にしろよ!!」
「わかりました。
...今日のところは諦めます...」
「はぁ...ってか、
別に俺じゃなくても良くね?」
「あなたがいいんですよ!!
普通の高校生男子だけど、
クラスでも陰キャじゃないし、
むしろ中心的人物だし、
女子からもそこそこ人気だし」
お、まじか
「勉強も運動も普通。
なのになぜかモテる...そんなあなただから!!
だから、いいと思ったんですよ!!」
「わあーったよ。
まあ、明日からアピールがんばれー」
適当に流して帰ろう
「もう!!絶対本気にしてない...!!」
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